ここでは当苑が行っているビンだし(馴化)を簡単にお教えします。
もう慣れている皆様も是非参考までにご覧下さい。


えびねビン苗の順化

 ふたを開けビンから出します。ふたが開けにくいときは、ふたをライタ−等で温めれば開きます。
又、当苑のフラスコ苗は根が張りすぎてビンから出にくいと思いますが、
ビンの中に水を入れて横に振ると寒天が崩れるので、その後針金等で引っぱり出して下さい。



 苗が出たら、水で根についた寒天をきれいに洗い流しながら丁寧に根をはずしていく。
根を水で洗いながらすると外れやすい。根が絡んでいますのでなるべく丁寧に外してください。





 根が外れたらビンのなかに4分の1くらい水を入れその中に苗をもどす。
(倒れたら苗が曲がった状態で上に伸びますので倒れないようにビン等に入れます)
ジップロックなどの封を出来る袋で結構ですので、この袋の中で2〜3日ぐらいおく。
たまに、封を開けて外の空気にあてる。

最後の方では袋の封は開けたままの空気は通るが風が当たらない状態にしておく。
水は常に水滴が付くぐらいに状態にキープする。





 苗を植え込む。
普通のえびねを植えるようにボラ土にベラボンやバ−クチップを混合する培養土を当苑は使用しますが、
乾燥気味の場所や湿度が保てない場所でしたら水苔で植えるのが良いかもしれません。
数種類試験的に植えてみれば何が一番合うか分かってくると思います。

鉢へは数本をまとめて植える。もう少し大きめの鉢で5〜6本以上をまとめて植えても良い。
その後、頭から水をたっぷりかける。


当苑の場合は苗が大量ですので発泡スチロールに数十本単位でまとめて植えます。
まとめて植えないと絶対にだめです。1本ずつなどで植えると良い結果は出にくいです。
葉が触れる程度の距離が良いようです。乾燥や苗同士の相乗効果もあるようです。


今年の「五右衛門×武蔵」です。
この1箱でも50本を遙かに超える本数が入っているのですよ。


 置き場は始めの1〜2週間ぐらいは風通しの悪いところで良いです。
湿度の高い場所に置きとにかく頭から水を頻繁にかけます。
根に水分を行き渡らせるのも重要ですがそれよりも一番重要なのは葉が乾燥しないことです。
その後、他のえびねと同じ場所に置く。 


以上になりますがフラスコ苗がなぜ枯れるかと言うと、フラスコの中では湿度が100%近くあったのに、
外の世界に出ると良くても50%ぐらいの湿度と急激な環境の変化にあいます。
その環境の変化に耐えられずに弱って倒れてしまいます。
ようはどのようにしてその湿度を自然と外の世界の湿度に慣らしていくかと言うことだけです。
難しく考えずに結構ですので、そのことを頭の片隅に入れておいてください。

これでまた1歩名人に近づきましたね!!


※ この方法の日にちなどは、あくまでも目安ですのでご自分の作場にあった方法で行って下さい